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  • ユーザビリティは文化的背景なくして語れない!

    今日、別のワークショップに参加した先生とのディスカッションで出た重要な発見がある。それは、サービスや製品、ウェブサイトの情報構築は、ユーザーの文化的背景により変わってくるということ。
    日本人に向けた日本のサービスのユーザーへのアプローチと、同じサービスのアメリカ人ユーザーに向けたアプローチは同じではないのだ。
    常々考えてきた、「英語サイトは日本語サイトの英訳版ではいけないはず」ということをしっかり裏付けてくれた発見だった。

    2011年 3月 31日 | Filed under LEARNING, Website制作
  • IA Summit 2011 – Usabilityワークショップ

    昨日の夕方、コロラド州デンバーに到着。寒いと聞いていたけれどそれほどでもない。というか、私は先週の東京くらいの寒さかなぁと思うけどこっちの人の薄着にはびっくり。半袖で夜で歩いている人がいる。さすがアメリカ・・・。
    さて、今日からメインカンファレンス前のワークショップが始まった。一日目の今日は、”Usability Bootcamp” に参加。朝の9時から夕方の5時までぶっ通し。
    最初の1~~-2時間は先ずは英語に慣れるのに必死。先生も参加者も当り前だが早口。。。集中してとにかく聴くことに徹する。単語調べとかテキストに目を落とすとかしていると散漫になる。徹底的に先生の目を見て耳を使って理解した。さいわい、ワークショップとしてやるべきこと、チームでのハンズオンの作業、レクチャーの内容の理解はしっかりできたと思う。
    さて、このワークショップ、とても中身の濃い、深みのあるユーザビリティテストに関する内容だった。ユーザビリティテストの一連の流れを、なぜそのプロセスが必要かをしっかり説明しながらプロセスごとに解説し、それぞれのプロセスをチームごとに作業させ体験させる。
    これまでにユーザビリティに関するセミナー等をいくつか体験したが、いまひとつ全体像をとらえきれなかったのが今日で解決した感じ。かなり得るものの大きなワークショップだった。
    講師のChristinaはまだ若いかわいい女性。でも、ユーザビリティテストについてはとてもプロフェッショナル。テストの下準備であるテストのプラニング、オブザーバーの人数、テスターの選考、テスターの人数、テストのタスク、ファシリテーターの役割、テスト結果データの分析、整理方法、これにより出たテスト結果の伝え方まで、始めから終りまでのプロセスについて、経験談を交えて実に詳細に解説してくれた。
    このワークショップの参加者は14名。たぶん私以外は全員がアメリカン人だったと思う。ほとんどの人が実際にユーザビリティテストやウェブサイトデザインに携わっていたように見受けられた。そうした彼らが真剣にウェブのユーザビリティテストについてより新しい、詳しい情報を求めて勉強しているこの国は、それだけユーザビリティの重要性が認識されているといえる。
    日本ではどうだろうか。ウェブサイトを持つサービスや製品の提供企業がどれだけ自社サイトのユーザビリティを高めるためにコストをかけるだろう。ユーザビリティの重要性は浸透しているとはいえないと思う。今日のワークショップでは日本人は他にいなかったし。まだまだ企業サイドの目線で作られているサイトがたくさんある。会社の業績がサイトのユーザビリティ向上から引き出せることをまずは実証していく必要があるのかもしれない。
    さて、4月から始まるシステムデザインの勉強。今日習得したことがこの分野にどう結びつくかを考えてみた。というか、同行してくださっているSDMの先生とディスカッションした。で、結論。これはシステムデザインのVeeカーブの出発点である要求開発のところに応用できる。情報アーキテクチャとシステムデザインは実は多くの部分でつながっているのだと思う。今回のIAについての勉強を4月から始まるSDMでの勉強にしっかり生かしていくつもり。
    明日は、Information Architecture: Theory and Practiceというワークショップ。IAの基本をお勉強、というところかな。楽しみです。

    2011年 3月 31日 | Filed under LEARNING, Website制作
  • IA Summit 2011

    年一度開かれる情報アーキテクチャの世界会議であるIA Summitに、3月末から1週間ほど行ってきます!
    IA Summitは今年で12回目。2000年に始まったカンファレンスである。私がIAに興味を持ち始めたのはちょうど一年半ほど前。CSMのセミナーでコミュニケーション、コンテンツ関連の人たちと出会ってからだ。情報の構造そのものの最適化について勉強したくなり、人に聞いたり調べたり。たどり着いたのがIA。ただ、この多くの資料はウェブサイトにおける情報アーキテクチャに関するものであり、私の興味とは少し違う気がした。ウェブサイトのIAももちろん重要だけれどもっと広い意味でのIAの情報が知りたかった。
    IAにはウェブサイト以外にも、組織におけるIAや、システムを繋げるIAやいろいろあると思う。4月からの大学院(慶應大学SDM研究科)生活でも、システムズエンジニアリングを情報アーキテクチャの切り口で研究していくことを主な活動として行くつもり。そんなこともあって、今IAの世界ではどんなことが話し合われているのかをまず知るためにも、思い切ってアメリカの会議に行ってしまえぃ!ということになり、今年のコロラド州デンバーでの会議に申し込んだ。
    最初の2日間はワークショップ。一日目は朝の9時から夕方5時までのUsability Bootcampに参加。二日目も午前午後通しで、IA: Theory and practiceというIAの基本を一日徹底的にお勉強。3、4日目はmain conferenceに参加し、最終日を残して帰る予定。最終日まで居ると、学校の授業が始まってしまうので、残念ですが一日早く切り上げることにした。
    こういう国際会議の参加は初めてなので、まあどこまで吸収できるかはわかないけれど、行くと行かないでは大違いだと思う。今年は私にとっては、どうやら≪どんどん挑戦する年≫らしい(特に前半)ので、思い切って行ってきます。楽しみ、楽しみ~。
    さて、そろそろ英語に耳を慣らしとこぅ。久し振りにpodcast、いろいろダウンロードしよっと。

    2011年 3月 8日 | Filed under LEARNING, 仕事
  • 75歳美容師さんに学ぶ、ビジネスの基本の「き」

    この方のところからは一年に1~2回お呼びがかかり、お使いのPCを見にお邪魔する。近所にお住まいの現在75歳の現役美容師さん、サニー大野さん。青山や渋谷でご活躍されたのち、お姉さまたちの介護の必要からお勤めが困難になり、雪谷のご自宅にご自分の美容室を開設した。昔のお客様の中にはいまだに雪谷までいらしてくださる方も多いという。
    もう7年くらい前になるだろうか、サニーさんがご自分の美容院のお客様の管理をPCでされたい、というご希望でお声掛けをいただいた。まずはPCの使い方からお教えし、最終的にはエクセルでのお客様のカルテ管理、予約表管理、日経表から年間の経費計算まで、ふつうなら若い方でもちょっと躊躇されるようなことをすべてお教えし、今に至るまでその表を更新して毎年使われている。
    さすがにたまにファイルが整理しきれなくなったり、PCの不具合があったりするとSOSコールやメールをいただき、ご相談がてら近所なのでちょこっとお邪魔する。昨日、半年ぶりくらいにご連絡をいただいたのでお邪魔してきた。
    今日のトラブルはどうもマウスにあったようで、マウスを新しく買い替えるということで解決。その他、細かいファイル整理などをして差し上げて、とりあえず我が家に余っているマウスを取りに戻りこれで数日間代用してもらい、新しいものを選んでお届けすることにした。
    仕事を終えると必ずお茶を出してくださるサニーさん。今日は、ご家族の介護で本当に大変な時間を過ごしている中、どうして美容師を続けているかというお話をしてくださった。理由はただ一つ、お客様が来てくださるから。青山や渋谷のお店の頃からの40年来のお客様も何人もいるという。つまり、サニーさんが30代の頃20代だった方たち。今は60代になっているというわけだ。ここのお客様たちはみなさん、数カ月先までの予約を入れている。つまり、美容師さんを変えようという気はもうとうない。
    なぜか?それは、年配のお客様たちが信頼して任せられる美容師さんが他にいないからだ。サニーさんはお客様の生活、頭の骨格、髪の流れを全て熟知している。それを知った上でそのお客様に一番適し、手入れが簡単でいつも素敵でいられるヘアースタイルを提供して差し上げている。一人ひとりの色々な条件を考えた上でその人に対するベストプラクティスを実現しているわけだ。
    青山や自由が丘には美容室はたくさんある。でも年配の女性が本当に安心して通える美容室がどれだけあるだろうか。
    サニーさん曰く、「おばあちゃんがおにいちゃんがやっている美容室に行くと、本当におばあちゃんにされちゃう」
    サニーさんは、これまで素敵にしてきた女性たちがチリチリパーマで「おばあちゃん」ならともかく「おじいちゃん」のようにまでされてしまうのが、気の毒でならないという。「若いお兄ちゃん」にはわからないのだろう。
    でも、「わからない」では済まされない。不況の今、美容室も大変な時代、サニーさんのお客さんはめったに減らない。それは、サニーさんがお客様のニーズをしっかりと汲み取りそれに合ったサービス誠意をもって提供し、お客様としっかりした信頼関係があるからである。
    これって、本当は「あたりまえ」のこと。ビジネスをするならこの姿勢は基本の「き」。不況でビジネスがうまく立ち行かなくなった今こそ、基本に立ち戻りこういうことを確認することができる。忙しければそれは無理なのだから、言ってみれば今はそういうチャンスなのだ。
    サニーさんのように、地に足を付けて、いつまでも自分を磨き、お客様をも磨き、ご家族を大切にして生きて行く女性は本当に素敵だ。小さな体にパワーがみなぎっている。その証拠にご自分のお仕事のお話をされる今日のサニーさんは、本当に生き生きとされていた。二人のお姉さまの壮絶な介護に忙しい中、美容師としてのお仕事、スイミングにコーラスに英会話にスキー。75歳の今も「まだまだやりたいことがありすぎて!」とおっしゃるサニーさんには、本当にお元気にお仕事を続けていただきたいと思う。
    こういう方には本当に元気づけられる。私なんて、まだまだ若造じゃん!見習って頑張ろう、という気持ちが湧いてくる。

    2010年 10月 31日 | Filed under STORY, 仕事
  • テクニカルコミュニケーションシンポジウム2010

    今週、24日(火)、25日(水)と二日間にわたり東京で開催されたテクニカルコミュニケーター協会主催のシンポジウムに参加した。
    初日の基調講演は、グラフィックデザイナーの原研哉氏と工業デザイナーの山中俊治氏の対談。そうそうたる顔ぶれのお二人のお話には、「伝えること」のこれからを考える上でのヒントがちりばめられていた。お二人とも本当に楽しくお仕事されていることが伝わってくる。とても元気が出るお話だった。
    山中氏は慶應のSFCの教授でもある。こんな先生のもとで勉強ができるなんて羨ましい・・・!きっと元気な楽しい研究室に違いない。彼は漫画家でもある。
    原氏の冒頭の一言「デザインとは理解を生み出すナビゲーション、理解への最短距離をデザインする」が印象的だった。本もたくさん執筆している。なかでも『白』をぜひ読んでみたい。
    基調講演の終盤に山中氏が思いつきで語った、「テクニカルコミュニケーションにおけるこれからのソーシャルなネットワークの設計のカギ」についての話、アンテナにビビッとひっかかった。かすかに表れるパーソナルなキャラクター。物の使い方がどんどんパーソナライズされる今、TCサイドの情報発信者のパーソナルなキャラクターをかすかに表に出し、パーソナルなコミュニケーションを成立させていくことがカギになる、というお話。とっても参考になる。2時間半の講演はあっという間だった。
    午後はオープンソースの翻訳ツールについてのパネルディスカッション。新しい情報をいろいろと聞けた有意義なセッション。これから試してみたいこと盛りだくさんの内容だった。
    2日目は丸一日DITAデー。午前はコンテクストライティングとトピックライティングについてのパネルディスカッション。DITAでマニュアル作成をした企業担当者の経験談、実際に作成にあたる方の具体的なライティングについてのお話など、DITA関連の話がメインだった。
    午後はTC協会のDITAのワーキンググループによる、「TCの視点から見たDITA」テクニカルコミュニケーションにおいてDITAはどうなの?というお話。DITAのとても細かい説明が冒頭で長く続き、すご~く難しい。具体的すぎて私のように全体像がまだよく見えていない人間にはきつかった。最後にドイツのTC団体、tekomの方からのドイツでのDITAについてのお話はとてもわかりやすかった。TC協会の方の話とtekomの方の話をまとめると、DITAはone of standardsであり、特にこれがいいというものではない、大事なのは目の前にある仕事の目的をしっかり把握してそれに合う方法を探すこと、それがDITAである場合もあるしそうでない場合もある、ということらしい。DITAありきではなく、どちらかといえばその上にCMSがある、と考える。tekomの方のこの一言。そうか、そういうことか~。わかりやすい。
    二日間のシンポジウム。TCといってもいわゆるマニュアル制作をしているわけでない私としてはかなり知識不足なこともあり、「?」という瞬間は多かった。その中で基調講演のお二人のお話と、ディスカッションのパネラーとして参加されていたフランス人とドイツ人のお話はかなり分かりやすかった。私にはとても伝わってきた。こんなところにもこれからのコミュニケーションのヒントが見えた気がする。
    基調講演以外は、全体的に議論の中心にあったものは「伝える」ことの効率を高めるためのいろいろな技術であったように思う。私が翻訳(特に英訳)をしてきた中でずっと感じてきたもやもやは、これらの技術では残念ながら解消はされない。閉塞感てんこ盛りの今の日本には、「伝える」こと「発信する」こと「コミュニケーション」することをもっと根本を議論する必要があるのではないか。私は私なりに、「理解を生み出す最短距離」をデザインすべく日々邁進し行こうと思う。

    2010年 8月 27日 | Filed under LEARNING, ロジカルコミュニケーション, 仕事
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