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アメリカで感じた日本 (その1 Exeter)
7月3日から約1週間、アメリカを一人で旅行してきた。久し振りの海外、それもひとり旅。たったの数日間でもいろいろなことを感じた時間だった。
元々の目的は、娘をボーディングスクールのサマープログラムに送り込むこと。ボストンから北に1時間ほど車を走らせたExeterという街に着き、翌日がプログラムのレジストレーション。アメリカ国内はもちろん世界38カ国から子供たちが集まる。東洋人も多かった。宿泊したホテルの朝食で、すでに多くの東洋人家族に遭遇。この中に日本人はいるかな?と耳を澄ませたが答えはゼロ。多分ほとんどが中国系だったと思う。
学校でレジストレーションを済ませてドームに荷物を運び、学校内をツアーして回った。ここでもものすごい数の中国人、韓国人。あちこちで中国語、韓国語が飛び交う。悲しいかな一人の日本人にも遭遇しなかった。
中国人や韓国人がすごいのは、その数だけじゃない。彼らは、少なくとも子供たちは、英語をほぼ自由に操る。親たちもそういう人がたくさんいた。ここに同じ数の日本人がいたとしたらどうだろう。子供は帰国やインターの子なら英語は普通に喋るが、親はどうだ?
そして彼らの教育への熱心な取り組み。実際直接話をして聞いたわけではないが(本当は中国人、韓国人の親と話をしてみたかった!)、少なくとも子供の両親は揃ってレジストレーションにやって来る。Book Storeで買い物をする様子を見ても、なんだかとても親の熱心さを感じる。(裏を返せば「過保護」ということになるかもしれないが)とにかく、一生懸命さを感じるのだ。世界という土俵でやっていくことを見据えた教育観なのか。日本の親たちに感じるそれとは漠然と違うと思った。
日本の親たちだって充分教育熱心だと思う。中学受験生の数はまだまだ伸び続け、大学受験熱だって決して衰えてはいない。ただ、私がアメリカで見た東洋の親たちとは方向が違う。それぞれの国内事情にもよるのだろうが、日本は今あちこちで言われているようにとても「内向き」に見える。親が、学校が、そして国が、全て内向きなのだ。ここが決定的に違う気がした。
Bostonの片田舎のたった一日の体験でも、今の日本の問題点が大きく浮かび上がるこの現実。かなり考え込んでしまった。 -
NHK ハーバード白熱教室
ハーバードの授業が日本のテレビで見られる!というのを友人が教えてくれて、先週から見始めたNHKハーバード白熱教室。サンデル教授の人気授業、Justice。Justiceとは何か、何がJusticeなのかを、教授、生徒たちが議論する。
既に第6回の放送であったので、過去5回分は見逃してしまった。と思ってリンクをたどると、ちゃんと全ての回が見られるサイトが!http://www.justiceharvard.org/
ただし、英語。そして過去5回どころか全12回分全てがアップされています。英語で先に見ておいて日曜日にHNKで復習、といった英語学習にも役立ちそう。
番組のことはこれくらいにして、ハーバードの授業について思った事を書いてみる。それはやはり、この活発な生き生きとした授業そのものの羨ましさである。今、日本の大学も変化しているところもあるかと思うが、こうした参加型の授業が大学の大教室でさえも行われているという現実を、ぜひとも日本の教育者たちにしっかりと見てほしい。知識を増やすことが教育ではない。考える力、そして想像力とコミュニケーション力を養うのが教育だと(少なくとも文科系は)私は常々思っている。そして残念ながら日本の学校教育ではその力はなかなか養われない・・・。
教育者がアクションを起こすだけでは足りないので、政治家にも見てもらわないといけないだろう。何といっても日本のいろいろを決めているのは政治家のみなさんなわけで、その方たちがどれくらい危機感を感じて下さるのかちと不安だが、現場目線でしっかりと見ていただきたいものだ。
日本の大学は今やアジアの留学生に素通りされてしまう。優秀な学生はアメリカへ。そして日本でさえその動きは始まってきている。優秀な日本人は東大、ではなくハーバードへ。教育に携わる知人の話では、ハーバード大学が昨年日本の桜蔭で説明会を実施したという。アメリカの教育者はどんなに上位校であっても胡坐をかかない。世界中の優秀な学生を集め教育することに前向きなのだ。一方日本はどうだろうか。いわゆるブランド校はハーバードと並ぶくらいの学校になるような努力をしているだろうか。私にはとてもそうは思えない。
教育は変わらなきゃいけない。これからの日本は教育でも孤立してしまう。切実にそう感じる。ということで、教育関係、政治関係のみなさまは、是非この授業を見てください。
内容も面白いし、ハーバードでの授業体験ができるという意味でも若い人たちも勿論!自分のやる気次第ですが、英語の学習にもなります。 -
リーダーシップ教育
twitterで、Simmons Leadership Conferenceというものを知った。アメリカ在住の日本人の女性がこのConferenceに行かれ、そのレポートをされていた。
Simmonsというボストンの女子大で毎年行われている女性のリーダーシップカンファレンス。彼女のレポートには「米国でも最古の部類に入る女性のリーダーシップカンファレンス」とある。拝読するに、とても興味深い内容で、あ、こういうの行きたい!と単純に思った。
「最古の部類に入る女性のリーダーシップカンファレンス」ということは、他にもあるということだよなぁ、と検索してみると、まあ、あるわあるわ、あっちでも、こっちでも、そっちでもやってる。ただし、海外。アメリカに限らない。グローバルな組織もあるので、世界のあちこちで開催しているものもある。でも、日本は見つからない。
以前、やはりtwitterで、日本の母親はアジアの中でも子供に「リーダーシップ」を期待する割合が極めて低いことを知った。韓国や中国に比べると悲しいくらい。(ベネッセの調査結果)
「女性のための××」っていうくくりはあまり好きではないけれど、こういうの日本にもあっていいんじゃないかと思った。というか、今おかれている日本の立場を考えたら、なきゃいけないと思う。教育。政府が言う教育は子供の学校における教育と思えるけれど、大人たちが教育を受けた時代にすっぽ抜けていた「リーダーシップ教育」といったことは、まずは今の大人たちにとって必要なこと。もちろん、ビジネススクールで学ぶことはできる。大学院に行けばね。でも、もっと一般に浸透していくような流れがあっていい。
今、母親たちは、学歴もあり就業経験もある人が多い。それでいて子供にリーダーシップを期待する傾向が低いというのは、たぶん学校でも職場でもそういう教育をされた経験があまりないからではないか。自分の時代を考えてみれば、仕方ないかも。そんな尖がった女性は社会では通用しない時代だったから。(因みに私は、たぶん日本で唯一それに近い教育を女性にしていた女子高にいたので、同窓生たちは社会に出てみんな苦労してました・・・)
でも、これからの日本人はそれじゃだめ。リーダーシップ教育は、大学や大学院だけじゃなくて、もちろん、社会の男性たちだけじゃなくて、女性たち、母親たちにも浸透していく必要を感じてしまいます。
海外のメディアを見れば、リーダーシップマネージメントで評価されているのはインドやシンガポールや韓国などの企業。アジアの中に日本はいなくなってます。女性の評価も、他のアジアの国ではものすごく上がっている。ここでも日本は置いてきぼり。日本のニュースでは全く危機感はわからないですよね。これ、戦時中みたい。
ちょっと極端な話になりましたが、つまり、もっと外に目を向けていいものをしっかり取り込んで、活性化して、自分のよさを自信を持って発信していける社会になるような、そういう教育をしてほしい。もちろん大人にも。政府に言ってもあまり効果が期待できない今、こういうことはどこに向ければいいんだろう…。
とりあえずは、自分に何かできることあるのか、そういうことも考えてみようかな。
*Simmon Leadership Conferenceに行かれた方のレポートはこちら。 http://ht.ly/1FCTU -
自分CMを作る小学生
今朝のニュースで、ある東京の小学校の取り組みが紹介されていた。それは、自分を15秒で売り込むCMを作る、というもの。
いま、子どもたちは、会話の中できちんとコミュニケーションができないことからいろいろなトラブルが起こってしまうことがあるという。そこで、自分は本当はこういう人でこういうことを考えているんだよ、ということを上手に人にアピールしよう、というのである。
まず、自分のいいところを付箋一枚に一つずつ、これを頑張って100枚くらい書いてみる。子供によっては120枚以上書く子、ほとんど書けない子もいるという。次に、周りの友達に自分のいいところを聞いてそれをまた書いていく。そこから、自分のCMのテーマを決める。自分がクラスの子たちにこんな風に見られていたのかぁ、と嬉しそうにする子。本当の自分は何なのか、何をアピールすれば自分をわかってもらえるのか、真剣に考えている子。
これぞ学校の教育!と思った。勉強を教えることよりも、こういう、コミュニケーション、社会性、そういうことを学習するは学校でなければできないこと。日本の小学校も変わって行ってくれているなぁ、とうれしくなった。
ニュースでは、このCMで自分を広告したことから、クラスでの友達とのかかわりに変化が出てきた子を紹介していた。クラスの中で鎧を着ていたような子がすっかり鎧がとれて、自分らしく接することにより周りから慕われるようになっていた。小学校5年生でとても大事な社会性を学んだわけだ。素晴らしい!
ところで、この取り組み、本当は子供だけのものではないですよね。日本の大人たち、コミュニケーションがうまくできない人たちが多すぎる。自分らしさをしっかりと発信して、自分らしい社会への貢献、関わり方をもう一度考えてみるのは、これからのより良い人生を生きるために必ず役に立つと思う。個人も然り、そして企業としても然り。
やっぱりコミュニケーションですね。大切なのは。これを少しでも円滑にするためのお手伝いをすることを仕事にしているのは、私らしさの社会貢献、ってことなのかも。そうか。今日のニュースは役に立った! -
海外研修プログラム
娘が大学の海外EAPというプログラムでオーストラリア、メルボルンへ。10日から来月7日までの約1ヵ月間の滞在だ。
ホームステイ先にはイラン人2人、インド人、韓国人2人と大勢いて、なかなか賑やかそう。おまけに犬が3匹。
昨日ホームステイ先に到着し、今日からDeakin Universityの授業が始まる。1か月の滞在で何を得るかは本人次第。まずは楽しみ、その中で自分のアンテナを拡げてそこにピピッと引っかかるものを何か感じてきてくれればいい。各国からの学生が集まるこのプログラム、たくさん刺激を受けてきてほしいものだ。2010年 2月 12日 | Filed under 教育
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