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75歳美容師さんに学ぶ、ビジネスの基本の「き」
この方のところからは一年に1~2回お呼びがかかり、お使いのPCを見にお邪魔する。近所にお住まいの現在75歳の現役美容師さん、サニー大野さん。青山や渋谷でご活躍されたのち、お姉さまたちの介護の必要からお勤めが困難になり、雪谷のご自宅にご自分の美容室を開設した。昔のお客様の中にはいまだに雪谷までいらしてくださる方も多いという。
もう7年くらい前になるだろうか、サニーさんがご自分の美容院のお客様の管理をPCでされたい、というご希望でお声掛けをいただいた。まずはPCの使い方からお教えし、最終的にはエクセルでのお客様のカルテ管理、予約表管理、日経表から年間の経費計算まで、ふつうなら若い方でもちょっと躊躇されるようなことをすべてお教えし、今に至るまでその表を更新して毎年使われている。
さすがにたまにファイルが整理しきれなくなったり、PCの不具合があったりするとSOSコールやメールをいただき、ご相談がてら近所なのでちょこっとお邪魔する。昨日、半年ぶりくらいにご連絡をいただいたのでお邪魔してきた。
今日のトラブルはどうもマウスにあったようで、マウスを新しく買い替えるということで解決。その他、細かいファイル整理などをして差し上げて、とりあえず我が家に余っているマウスを取りに戻りこれで数日間代用してもらい、新しいものを選んでお届けすることにした。
仕事を終えると必ずお茶を出してくださるサニーさん。今日は、ご家族の介護で本当に大変な時間を過ごしている中、どうして美容師を続けているかというお話をしてくださった。理由はただ一つ、お客様が来てくださるから。青山や渋谷のお店の頃からの40年来のお客様も何人もいるという。つまり、サニーさんが30代の頃20代だった方たち。今は60代になっているというわけだ。ここのお客様たちはみなさん、数カ月先までの予約を入れている。つまり、美容師さんを変えようという気はもうとうない。
なぜか?それは、年配のお客様たちが信頼して任せられる美容師さんが他にいないからだ。サニーさんはお客様の生活、頭の骨格、髪の流れを全て熟知している。それを知った上でそのお客様に一番適し、手入れが簡単でいつも素敵でいられるヘアースタイルを提供して差し上げている。一人ひとりの色々な条件を考えた上でその人に対するベストプラクティスを実現しているわけだ。
青山や自由が丘には美容室はたくさんある。でも年配の女性が本当に安心して通える美容室がどれだけあるだろうか。
サニーさん曰く、「おばあちゃんがおにいちゃんがやっている美容室に行くと、本当におばあちゃんにされちゃう」
サニーさんは、これまで素敵にしてきた女性たちがチリチリパーマで「おばあちゃん」ならともかく「おじいちゃん」のようにまでされてしまうのが、気の毒でならないという。「若いお兄ちゃん」にはわからないのだろう。
でも、「わからない」では済まされない。不況の今、美容室も大変な時代、サニーさんのお客さんはめったに減らない。それは、サニーさんがお客様のニーズをしっかりと汲み取りそれに合ったサービス誠意をもって提供し、お客様としっかりした信頼関係があるからである。
これって、本当は「あたりまえ」のこと。ビジネスをするならこの姿勢は基本の「き」。不況でビジネスがうまく立ち行かなくなった今こそ、基本に立ち戻りこういうことを確認することができる。忙しければそれは無理なのだから、言ってみれば今はそういうチャンスなのだ。
サニーさんのように、地に足を付けて、いつまでも自分を磨き、お客様をも磨き、ご家族を大切にして生きて行く女性は本当に素敵だ。小さな体にパワーがみなぎっている。その証拠にご自分のお仕事のお話をされる今日のサニーさんは、本当に生き生きとされていた。二人のお姉さまの壮絶な介護に忙しい中、美容師としてのお仕事、スイミングにコーラスに英会話にスキー。75歳の今も「まだまだやりたいことがありすぎて!」とおっしゃるサニーさんには、本当にお元気にお仕事を続けていただきたいと思う。
こういう方には本当に元気づけられる。私なんて、まだまだ若造じゃん!見習って頑張ろう、という気持ちが湧いてくる。 -
久し振りの学生証
慶應SDM研究科の科目等履修生の出願から早1ヶ月半が経ちました。9月の最終週より履修を開始し今日で4週目。毎週エキサイティング、かつ刺激的な授業を楽しませいていただいております。その間、学事のもろもろの手続きを経て履修生としての受け入れの許可が出て、そして今日、晴れて「学生証」をいただきました。
さて、授業内容はといえば、「システムエンジニアリング」の基礎的な講義とワークショップ形式の補講(こちらは英語での授業)、他に聴講させていただいている授業も。どれもとても興味深い内容で、本当はとても難しい話だと思うのですが毎回のめり込んでしまいます。
大学院の授業でこんなに一生懸命取り組めるなんて、いったい私の大学時代は何だったんだろう…。という悲しい過去を振り返ってしまうのですが、だめだめ、時間は戻りません!今の時間を十分に充実させればそれでよい!と自分に言い聞かせ、周りの学生たちよりも長~い人生経験の中で体験した様々なことに結び付く、SDMでの講義を、自分にしっかりと取り込み、これからの自分に生かしていきたいと思っております。
先週末のSE序論の授業はまさに私の分野の話でした。「いかにロジカルに伝えることが大切か。」テクニカルコミュニケーションです。SEのデザインにおいてロジカルに分析してそれをロジカルに伝えることは基本の「き」。これができて初めてユーザーの要求に合ったシステムがデザインできるわけです。ドキュメンテーションの大切さ。これがテーマでした。今週は更に掘り下げて、システムの要求分析をしていきます。難しいけれど面白いです。
今日はグループワークのグループ分け。各自興味のあるテーマを発表し、近い分野の人たちがグループになって研究します。私はやはりこれまで興味をもってきた、組織のグローバル展開、マーケットオリエンテッド、ユーザーオリエンテッドな展開を可能にする、組織全体の効率的な情報システムの構築をテーマに。同じ分野のテーマの方お二人と一緒にグループを組むことになりました。お一人はネット上のバーチャルコミュニティ上の発信とリアルコミュニティにおける発信の違い、バーチャルコミュニティは生命化しているのではないかという仮定を。もうひと方は、eコマースの購買体験とリアル店舗での購買体験の違いと、eコマースを生命化することでリアル店舗の体験に近付けることができるか、というテーマ。どちらもとても興味深い!これから1月の発表に向けてとても興味深い研究ができそうです。楽しみ!
そんなこんなで、かなり楽しい体験をしております。半年で終わるのはあり得ない気分になってきてしまいました・・・。もうちょっと長くやろうかな~。あと2年とか!?2010年 10月 22日 | Filed under LEARNING -
Time for a Challenge! 慶應SDM研究科の科目履修
日吉。慶應大学のグラウンドでいま、目の前で附属中学の運動会開催中。2年前までは保護者として来ていたこの運動会。今日はたまたま目にすることになった。
このブログを書くのは約一ヶ月ぶりか。色々あった一月だった。今はだいぶ落ち着いてきた。新しい私の始まり。バタバタした中いろいろ考えた。結果、これまでとちょっと違う勉強を始めてみることにした。
慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)。これが考えた末にたどり着いた私の結論。いまのところ3科目の履修のみ。トライアル期間みたいなもの。きちんとやれる自信がついたら春から正規の院生になるべくアプライしてみよう。
そのSDMの授業が今週から始まった。ここに来るのは今日で3日目。かなり若い学生、外国からの留学生、たっぷり社会人をやっている学生。少人数ではあるがバラエティーに富んだ学生たち。おもしろい!その中で私もかなり変わった部類に入るだろうな。
ここに決めた理由は、一言でいえば、ここの勉強は今の私の頭の中のモヤモヤを晴らしてくれるだろうな、と思ったから。ここ一年ほどずいぶんいろいろ考えた。海外の大学院のオンラインラーニング、国内の英語での大学院、分野はコミュニケーション、情報、ドキュメンテーション・・・。でも、何か違う、何かが違う。それを勉強した後の自分と今の自分はあまり違わない気がした。そんなとき、母校の新設の研究科を調べてみた。一つは慶應メディアデザイン。ここは著名な教授たちが名を連ねる。もう一つはSDM。ここにも立派な教授陣。でもここの情報はあまりなかったので、サイトで調べ、気になる教授の著書を読んでみた。
う~ん、これだ~!今の私が知りたいのは、こういうことなんだ!って、思った。システムデザイン。工学系の言葉にみえるがここでいうシステムは違う。世の中のあらゆるシステムを指す。社会システム、自然システム、生命システム・・・。こういったシステムのこれからの姿を少しでもよいものにしていこうよ、そういう学問だ。
システムは要素で成り立つ。その一つ一つの要素を丁寧に掘り下げることしかこれまでの私の頭にはなかった気がする。でも、この一年、それじゃ足りない、と思った。もっと全体を俯瞰したくなった。要素の掘り下げも不十分。それは重々承知している。でも、モヤモヤをまず晴らしたくなった。これが晴れれば要素の掘り下げがより効率的により良い方向に進む気がして。
そんな漠然とした理由だが、私の中ではとても自然な流れの中で起きていることに感じる。ここに至るまでの約1年間、いろいろなことが起きた。一つ一つはきつかった。でも能天気な私は、災いは転じれば福となることを素直に信じてここまで来たような気がする。うまく転ずることができたかはまだわからない。それはこれからの私にかかってる。これまでの自分に起きた「点」を、「線」で繋げていけるようなチャンス、そういう時期が自然にやってきた、そんな気がする。
大学院の授業は課題がいろいろある。ディスカッション、チームでの研究発表、各授業の宿題・・・。さてさて、若い人に負けないように頭をフル回転させて、精一杯頑張っていきたい。2010年 10月 2日 | Filed under LEARNING
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