アーカイブ
-
わかりやすい日本語のすすめ
和文英訳をする時の一番の悩みは、ほとんどの仕事で共通します。それは、日本語です。
日本語というのは、本当に不思議な言語で、一文、一文、話があっちにいったりこっちに行ったりしても、最後まで読み通せば、ふ~ん、なるほどね。という具合に何となく理解できた気がしてしまうものです。そして、それくらい複雑な組み立ての文章の方が、高尚な(?)文のようにも捉えられている気がします。
ところが、その日本語を文ごとに全てを英語にしようとすると、それはそれはおかしな英語になるのです!英語には英語のロジックがあり、文がロジカルに流れていかないと、読み手、聞き手にとっては、何を言いたいのかわからないような文章になってしまうのです。
多くの日本文はロジカルに流れないだけではなく、補足的な情報を無理やり押し込んだり、同じことを言葉を換えて何度も言ってみたり。そういうケースも多いです。その場合、英語にそれを全て含めるとかえって悪文になってしまうのです。
では、英語のロジックで日本語書いてみたらどうなるのか。これ、まさかと思うかもしれませんが、大変読みやすい、理解しやすい日本語になるんです。一度ぜひ試してみてください。
全ての日本語を、とは言いませんが、せめて英訳を前提として日本語を書くような場合には、是非ぜひ日本語を書く段階でわかりやすい日本語にすることをお勧めします。
頭をひねって、高尚な日本語を書きあげる労力により、その分英訳のコストがかかってしまうと考えていいと思います。ロジカルな日本語ライティングは、翻訳コストの節約に大きく貢献するわけです! -
スイスの女性参政権って?!
国際女性デー(International Woman’s Day)というのがあるらしく、それが昨日、3月8日だったらしい。で、昨日は世界各地でいろいろなイベントが行われたそうだ。
Twitterで拾ったHBR(Harvard Business Review)の記事にも、これにちなんだ女性関連のものがいくつか。で、読んでみてビックリな事実を発見!
記事はこちら(英語)。女性参政権についてのくだりで、
American women received the right to vote in the early 1920s, around the same time as Albania and Burma. In 1929, Canada determined that women were “persons” for electoral purposes. In 1971, surprisingly recently, women got the right to vote in Switzerland. Kuwait was late — 2005.
とある。な、なんと、スイスで女性が選挙権を得たのは1971年!日本でさえ1945年だというのにこれには驚き・・・。
スイスという国については詳しくは知らないけれど、少なくともそういうイメージは全くない。今では欧米では多くの女性政治家が活躍し、一国の首相や大臣になっているケースが目立つ中、スイスではつい約30年前まで女性は参政権すらなかったなんて。なにか社会的な理由があるのだろうなぁ。気になる・・・。2010年 3月 9日 | Filed under 気になること -
Books on English Writing 英語ライティング参考書
ここのところ、テクニカルコミュニケーション、テクニカルライティング、グローバルイングリッシュ、プレインイングリッシュ、と、英語ライティングについて考えることがぐっと増えて、またまたアマゾンでまとめ買いしてしまいました…。
Oxford Guide to Plain English
Plain Englishは、恩師ケリー伊藤氏からの教えのほかはあまり本は手にしたことがなかったが、これは読む価値ありそう。あのOxford Univ. Pressの出版。
The Global English Style Guide
日本のTC協会では日本発の英文テクニカルライティングのスタンダードとしてこのスタイルガイドを用いるようになってきているとの話を先週のセミナーで聞いた。日本発の英文から他言語への翻訳時に、和文の情報が正確に伝わる必要がある。そのためには英文がnon-nativeにわかりやすいものでなければならない。もちろん、nativeにもわかりやすい英語である。そういう英文のためのスタイルガイド。
The Elements of Technical Writing
Plain Englishの基本であるElements of Styleをもう一度読み直そ~、と思ってアマゾンを見ていたらこんな本も発見!これも使えそうなので早速オーダー。これ、読み始めましたがとても使えます!もうちょっと簡潔にまとめて、英語を書くときのバイブルにしようと思います!(とてもPlainな英語で書かれているので英語もとってもわかりやすい!)
Practical English Usage
こちらもOxford Univ. Pressのリファレンスブック。活用辞典というのでしょうか。文法を実際の使用例を見ながら確認して覚えられる、わかりやすい本です。内容はやはりOxfordのBasic English Usageの上級版らしいです。Basicの方は、もう30年くらい前からお世話になっていて、未だに時々ひっくり返してみることも。でも、調べたいことが出ていないケースが増えてきたのでいつの間にか使わなくなっていました。で、Practicalがいいかも、と思いこちらもオーダー。
Basicの本は、本当にシンプルに英文法がわかりやすく書いてあります。娘たちが文法がわからない時も、すぐにこの本を見せてました。これ、日本の中学の文法書として採用してくれないかなぁ。このほうがずっとわかりやすい!
今回は英語の本ばかり4冊。1冊はリファレンスなので、読むのは3冊。どれもライティングの本なので、Plain Englishで書かれているので読み易そう。がんばりま~す!2010年 3月 6日 | Filed under LEARNING -
自分CMを作る小学生
今朝のニュースで、ある東京の小学校の取り組みが紹介されていた。それは、自分を15秒で売り込むCMを作る、というもの。
いま、子どもたちは、会話の中できちんとコミュニケーションができないことからいろいろなトラブルが起こってしまうことがあるという。そこで、自分は本当はこういう人でこういうことを考えているんだよ、ということを上手に人にアピールしよう、というのである。
まず、自分のいいところを付箋一枚に一つずつ、これを頑張って100枚くらい書いてみる。子供によっては120枚以上書く子、ほとんど書けない子もいるという。次に、周りの友達に自分のいいところを聞いてそれをまた書いていく。そこから、自分のCMのテーマを決める。自分がクラスの子たちにこんな風に見られていたのかぁ、と嬉しそうにする子。本当の自分は何なのか、何をアピールすれば自分をわかってもらえるのか、真剣に考えている子。
これぞ学校の教育!と思った。勉強を教えることよりも、こういう、コミュニケーション、社会性、そういうことを学習するは学校でなければできないこと。日本の小学校も変わって行ってくれているなぁ、とうれしくなった。
ニュースでは、このCMで自分を広告したことから、クラスでの友達とのかかわりに変化が出てきた子を紹介していた。クラスの中で鎧を着ていたような子がすっかり鎧がとれて、自分らしく接することにより周りから慕われるようになっていた。小学校5年生でとても大事な社会性を学んだわけだ。素晴らしい!
ところで、この取り組み、本当は子供だけのものではないですよね。日本の大人たち、コミュニケーションがうまくできない人たちが多すぎる。自分らしさをしっかりと発信して、自分らしい社会への貢献、関わり方をもう一度考えてみるのは、これからのより良い人生を生きるために必ず役に立つと思う。個人も然り、そして企業としても然り。
やっぱりコミュニケーションですね。大切なのは。これを少しでも円滑にするためのお手伝いをすることを仕事にしているのは、私らしさの社会貢献、ってことなのかも。そうか。今日のニュースは役に立った! -
わかりやすく発信することの大切さ
ロジカルに発信することの大切さ
先週木曜日に、アクロリンクス(株)の日本法人設立セミナーに行ってきた。
トピックは、1.日本におけるテクニカルコミュニケーションの現状と今後の展望、そして2.日本発英文ライティング。とても興味深いお話だった。これについては、後日詳細を別途ポストするとして、今日はここからつながった今日のミーティングについてのおなはし。
先週のセミナーの1.のトピックで講演された、テクニカルライターの高橋滋子さんとは、昨年末からのお知り合い。今回のセミナーも彼女からご案内を受けて参加したもので、お付き合いは短いけれど、どうもお互いのアンテナに引っかかるものが同じなようで、共有できるものが盛りだくさん。興味あるのでは、との有難いご案内で参加した。
その彼女と今日は初めてゆっくりお話しする時間を持てた。同じ時代に学生をし、社会人をし、家庭を持つ経験を共有するだけでなく、これまでの居場所は大分離れていたけれど、わかりやすく言葉を人に伝える大切さ、ということについてのこだわりや想いを共有してきたことを知り、なんだか「やっと出会えた!」感を満喫。たった2時間の中で、ずっと抱えていた漠然とした考えや、なかなかすっと共有してもらえることの少ない、思いやこだわりを、話す端からす~~~っと彼女に入っていくのがわかるくらいに受け取ってもらえた気がする。
その、こだわりとか想いとは。
端的にいえば、ロジカルに、聞き手、読み手にわかりやすい情報発信をしようよ、ということ。あらゆる業界がMarket orientedとなってきた今、これは必然的な流れ。これまで胡坐をかいてきた業界主導の経営では、
マニュアル?あ~、わからなくていいの、あれは。
ウェブサイト?あ~、あればいいの、あれは。
みたいな声が実際聞こえていたのではないかと思う。でも、もうそうはいかない。
あのトヨタが、あんなことになって、やっとお客様主導の経営になっていくというのだから、今、お客様主導でないサービスを継続することがどれだけ恐ろしいことかなんて誰にでもわかる。
お客様主導の経営、それには、独りよがりの文章でなく、伝えたいことが相手に伝わる、相手が知りたいことをさっと提供できるような情報の発信が大きな武器になるはず。
よく考えてみれば、これは全然新しいことでもなければ画期的なことでもない。ビジネスでもなければ学問でもない。人間として、いえ、その前に生きものとして、たった一人で生きていない限り、周りとのコミュニケーションをしながら生きていく。必然的に、自分の欲求を人に伝えるには伝わりやすい方法で伝えるようになる。生きていくために必要だから。うちの犬はお水が飲みたいときにはお水のお皿をカリカリする。そうするとお水がもらえることを知った。私たちも、犬がお皿をカリカリすると、あ~、お水が飲みたいんだ、ってわかる。赤ちゃんは自分がもつあらゆる能力を使って、お腹がすいたこと、遊びたいこと、いろんなことを親に知らせる。犬や赤ちゃんがやっているコミュニケーション術と何一つ変わらないんじゃないか。基本はここにある気がする。
情報を伝える相手に対して謙虚になって、どうしたらわかってもらえるのかをシンプルに考えればいい。私にしてみれば、ビジネス界で相手にわかりやすく発信してこなかったことの方が驚きなのだ。
わからなくていいマニュアルを書かされていたライター、あればいいウェブサイトを作らされてたデザイナー、こういう人たちがもっと活躍できる時代になってきたはず。ドキュメント制作の各分野では、きっと同じ想いを共有している気がする。高橋さんと私のように。そういう人たちが一つになって、スキルを磨いて自分たちの業界を盛り上げて、日本の経済をいい方向に導くお手伝いをしようよ。それには、企業が基本に返って、お客様と真摯にコミュニケーションをする姿勢を持つことが前提となる。
共有していた同じ想いが二つ合わさっただけで、それは2じゃなく10にも20にも膨らんでいく。今日のミーティングからこんな想いにまで膨らんだ。パチンとはじけないように大切にしていきたい。
先週木曜日に、アクロリンクス(株)の日本法人設立セミナーに参加させていただいた。
トピックは、1.日本におけるテクニカルコミュニケーションの現状と今後の展望、そして2.日本発英文ライティング。とても興味深いお話だった。これについては、後日詳細を別途ポストするとして、今日はここからつながった今日のミーティングについてのおなはし。
先週のセミナーの1.のトピックで講演された、テクニカルライターの高橋滋子さんとは、昨年末からのお知り合い。今回のセミナーも彼女からご案内を受けて参加したもので、お付き合いは短いけれど、どうもお互いのアンテナに引っかかるものが同じなようで、共有できるものが盛りだくさん。興味あるのでは、との有難いご案内で参加した。
その彼女と今日は初めてゆっくりお話しする時間を持てた。同じ時代に学生をし、社会人をし、家庭を持つ経験を共有するだけでなく、これまでの居場所は大分離れていたけれど、わかりやすく言葉を人に伝える大切さ、ということについてのこだわりや想いを共有してきたことを知り、なんだか「やっと出会えた!」感を満喫。たった2時間の中で、これまでずっと抱えていた漠然とした考えや、なかなかすっと共有してもらえることの少ない、想いやこだわりを、話す端からス~~~ッと彼女に入っていくのがわかるくらいに受け取ってもらえた気がする。
その、こだわりとか想いとは。
端的にいえば、「ロジカルに、聞き手、読み手にわかりやすい情報発信をしようよ」、ということ。あらゆる業界がMarket orientedとなってきた今、これは必然的な流れ。これまで胡坐をかいてきた業界主導の経営では、
マニュアル?あ~、わからなくていいの、あれは。
ウェブサイト?あ~、あればいいの、あれは。
みたいな声が実際聞こえていたのではないかと思う。でも、もうそうはいかない。あのトヨタが、あんなことになって、やっとお客様主導の経営になっていくというのだから、今、お客様主導でないサービスを継続することがどれだけ恐ろしいことかなんて誰にでもわかる。
お客様主導の経営、それには、独りよがりの文章でなく、伝えたいことが相手に伝わる、相手が知りたいことをさっと提供できるような情報の発信が大きな武器になるはず。
考えてみれば、これは全然新しいことでもなければ画期的なことでもない。ビジネスでもなければ学問でもない。人間として、いや、その前に生きものとして、たった一人で生きていない限り、周りとのコミュニケーションをしながら生きていく。必然的に、自分の欲求を人に伝えるには相手に伝わりやすい方法で伝えるようになる。生きていくために必要だから。
うちの犬はお水が飲みたいときにはお水のお皿をカリカリする。そうするとお水がもらえることを知った。私たちも、犬がお皿をカリカリすると、あ~、お水が飲みたいんだ、ってわかる。赤ちゃんは自分が持つあらゆる能力を使って、お腹がすいたこと、遊びたいこと、いろんなことを親に知らせる。犬や赤ちゃんがやっているコミュニケーション術と何一つ変わらないんじゃないか。基本はここにある気がする。
情報を伝える相手に対して謙虚になって、どうしたらわかってもらえるのかをシンプルに考えればいい。私にしてみれば、ビジネス界で相手にわかりやすく発信してこなかったことの方が驚きなのだ。
わからなくていいマニュアルを書かされていたライター、あればいいウェブサイトを作らされてたデザイナー、こういう人たちがもっと活躍できる時代になってきたはず。ドキュメント制作の各分野では、実は同じ想いを共有している気がする。高橋さんと私のように。そういう人たちが一つになって、スキルを磨いて自分たちの業界を盛り上げて、日本の経済をいい方向に導くお手伝いをしようよ。それには、企業が基本に返って、お客様と真摯にコミュニケーションをする姿勢を持つことが前提となる。これさえ可能なら、ドキュメント業界と産業界、どちらもwin-winの関係が生まれるに違いない。
共有していた同じ想いが2つ合わさっただけで、それは2じゃなく10にも20にも膨らんでいく。今日のミーティングからこんな想いにまで膨らんだ。パチン!とはじけないように大切にしていきたい。
最近のコメント